定着金物を用いた連続繊維シートによる劣化スラブの補強効果その 2 両端固定スラブの固有周期と長期たわみ

摘要

本実験の結果より，以下に示す知見が得られた。1）ひび割れにより剛性が低下したスラブを、ジャッキアップし、本工法によるCF シート補強を施すことで、スラブの剛性が向上した。スラブ上面だけの補強でも剛性がある程度回復したが、上下面にCF シートを貼ることで、更に剛性が回復した。2）本設計法によるCF シート補強により、スラブのたわみと振動性状を改善することができた。クリープ性状に関しては，長期載荷開始から1 ヶ月間でクリープ変形が進行したが，それ以降の進展は殆ど見られなかった。3）損傷スラブの補強を対象とした場合、スラブ引張鉄筋を考慮した式（1）によりシート補強量を算出することで、健全スラブ厚の0.925～0.95 倍程度にまでスラブ剛性を改善できることを確認した。