隣接建物が高層建築物の風荷重に与える影響

摘要

棟間距離0.1B 程度で隣接する建物の影響が大きいのは風上側に隣接建物が位置する場合の風方向の構造骨組用風荷重に与える平均成分への遮蔽効果であり、風向0°で風下側の建物が風上側の建物方向に引き寄せられる現象が見られたが、風向180°では風上側の建物が風下側の建物に引き寄せられる現象は見られなかった。一方、風振動の変動成分に与える遮蔽効果や低減効果はあまり見られなかった。外装材用風荷重に関するピーク外圧係数の分布では、隣接の影響を大きく受けたのは２棟間の隙間に正圧が吹き込む風向90°近傍で、A 壁面の風上側平面端部位置c の負圧分布が正圧を受けるB,F 壁面からの流入の影響を受けた分布となりz/H＞0.6 の領域で-3.0 程度の値となっていた。