備後中継表を活かした福山大学未来創造館茶室「育志菴」：藺草栽培を通じた備後表の生産・流通・設計・施工プロセスの解明 その10

摘要

本研究は、絶滅の危機に瀕する「備後藺草による備後表」の保全と継承を大きな目的とした「藺草栽培を通じた備後表の生産・流通・設計・施工プロセスの解明」(2020～2014 年度JSPS 科研費)の一環である1)。施主と業界、地域の協力を得て、藺草栽培から建築施工までの全プロセスにおける備後表のトレーサビリティ実証実験を行っている。備後表継承のための仕組みづくりの1 つとして、新たに提示した製織証紙と加工検印を用いて畳表1 枚ずつ原草地から畳工事に至るまで備後表継承会（以下、継承会）がトレースするものである。備後表の品質保証システムの再構築を目指すため畳表に証紙を織り込み、最終的には施主に対して証明書を発行して全プロセスを検証する。