2011 年東北地方太平洋沖地震時に福島県東部で観測されたパルス波の伝播性状

摘要

2011 年東北地方太平洋沖地震（M9）の震源断層は，北は岩手県沖から南は茨城県沖まで広がっており，広域で多数の強震記録が得られた。得られた強震記録には，地域毎に特徴的な波群が認められ，断層面上に多数の強震動生成域（SMGA）を考慮した震源モデル［例えば，Asano and Iwata(2012)，川辺・釜江(2013)，Kurahashi andIrikura(2013)］やSPGA［野津(2012)］で説明がなされている。ただし，特徴的な波群の到来方向を確認するために，数点の強震観測点を組み合わせてアレイ解析を行った例［Kurahashi and Irikura(2013)］はあるが，震源のモデル化が主眼で,それぞれの地域における特徴的な波群の空間的な伝播性状まで検討した例は見当たらない。