人口分布形態指標による地方圏の同規模人口都市の類型化とその評価: 人口減少時代における都市類型別取組方針作成に向けた基礎的検討

摘要

人口減少に対応した将来の都市構造のあり方としてコンパクトシティの必要性が指摘されており、近年では立地適正化計画制度が創設された。また、同制度創設に伴い、各自治体によるコンパクトなまちづくりを支援する参考図書として「都市構造の評価に関するハンドブック」が作成されている。その中では、都市構造の課題抽出のための各種評価指標が設定されており、これらの指標を同規模都市の平均値と比較することで当該都市の課題を把握できるとしている。ただし、ハンドブック内の各種指標を援用し、地方都市の類型化を行った筆者らの研究1)では、同規模人口都市間の比較に一定程度妥当性があることが示された一方で、同規模都市であっても評価に大きな差がみられる項目もあったことから、人口規模だけでなく、人口分布の拡がり方（人口分布形態）など、より特徴が類似した都市間での比較が必要と考えられる。