低炭素社会実現に向けた社会変容の評価近年の省エネルギー努力に対する定量的な評価の提案

摘要

現在世界中で低炭素社会実現に向けた努力がなされている。本研究室では広域の電力供給実績値を人口重み付け気温により扱うことで東日本大震災後、社会の電力消費パターンに節電に向けて顕著な変化が見られたことなどを検証してきた1）。このように震災を機に省エネが定着したとみられる一方で、最新の確定値2）でも我が国全体で26,252[kt-CO_2]、事業用発電部門で159,642[kt-CO_2]、それぞれ1990 年と比較して、なお超過状態が続いている。これを抑制・改善するために、さらなる節電などの省エネルギー化と、排出源単位改善が必要とされる。建築都市計画の視点からは、近年省エネに相当な取組みが行われ、少なくとも1990 年の頃と比べて大幅に進歩してきたように思われるがその評価等は見受けられない。そこで本報では震災のあった2011 年とその前後3年、計7 年の期間における節電量定量化、評価を試みた。