屋内外の空間移動に伴う温熱環境および運動量のステップ変化が身体の温熱生理に与える影響その２：運動量がステップ変化する場合のSET*の改良提案

摘要

運動による皮膚血管収縮と代謝量の非定常変化を組み込hだTwo-Node モデルについて，実測値との比較により，皮膚温度変動の再現性が高いことが確認できた．また，このモデルを用いたうえで，標準着衣量を深部から皮膚への熱流入量に依存させ，標準状態での対流熱伝達率を入力代謝量と切り離すことにより，運動開始時や終了時の温冷感の動向をSET*として表現することができた．今回は定常状態での標準着衣量の算出式を利用してSET*の改良を行ったが，非定常状態について今回の仮定が成り立つかは定かではない．今後の方針として，実測により非定常状態での深部から皮膚への熱流入量と標準着衣量との関係を求める．また，これにより算出されたSET*と温冷感との関係についても検証を進める．