焼却残渣の好気性条件下における塩素低減化に関する研究

摘要

都市ごみ焼却残渣中には，3〜5%程度の高濃度の塩素が含まれており，難溶性塩素化合物のFrieder's Salt (3CaO・Al_2O_3・CaCl_2・10H_2O)が含まれている。本研究では,Friedd's SaltはpHの低下に伴って可溶化する現象に着目し，飛灰を混合した焼却残渣に脱塩促進剤として生ごみコンポストを混合して，カラムに充填し，好気性条件で散水を行うことで,pHの低下の促進による脱塩への効果について検討した。好気性条件で脱塩試験を行った場合,嫌気性条件の場合よりも短期間でpHの低下が起こり，塩素含有量は表層で0.1%以下となり，好気性条件により塩素の溶出が促進された。また,X線回折分析を行った結果,Friedd's Saltのメインピーりの減少に伴い塩素含有量は低下していた。