高度浄水処理におけるオゾン注入率の予測手法に関する研究

摘要

高度净水処理におけるオゾン処理を最適化する，すなわち，有機物質の分解を効率よく行うと同時に，臭素酸の生成を極力抑制することを目的に，オゾン注入率を被処理水の水質から予測する手法を確立した.まず，オゾン消費量を予測するに当たり，最適な有機物質指標を検討した.その結果，各種有機物質指標のうちオゾン処理による低減率が最も高かつたのは蛍光強度であり，蛍光が指標として最適と考えられた.次に，蛍光強度を含むいくつかの水質項目による重回帰分析を行い，蛍光強度，水温，濁度，pHの4項目を説明変数とするオゾン消費量の推定式を導出した.そして，水溫によるオゾン溶解効率の変化を考慮して，推定式の修正を行った.得られた推定式は実際のオゾン注入率をよく反映しており，精度の高いオゾン注入率予測手法が確立できた.