韓国安東における旧鉄道官舎地区の居住空間の変容に関する考察　その2: 旧鉄道官舎の居住空間変容

摘要

建設から約60年余りが経っているのであるが、現在も旧鉄道官舎地区はかっての姿をよくとどめている。格子状の幅広い街路網、建物の配置手法など、韓国にはない特徴を保つている。本稿では現地調査を基に居住空間の変容の実態を明らかにした。日本人によって韓半島の各地で建設された鉄道官舎は、日式住宅のーつの形式として移入され、韓国人によつて居住されてきた。住居の要素として、そのまま使われ続けるものと変更が加えられたものがある。こうした日式住宅での韓国人の生活によつて現れてきた特性は、韓日の居住空間を比較する貴重な手掛りになると考えられる。