多目的スペースの利用における教師の意識と空間改変: ーオープンプラン型学校建築の建築史と多目的スペースの計画課題

摘要

本研究では、1)音や視線等利用上生じた問題の対策として中廊下型のブランでは、CSとMSの間に間仕切を設置する空間改変事例が複数見受けられること、2)中廊下型のMSは教師の評価が最も低く、間仕切設置現象が起こるほど空間が抱えている問題が深刻なこと、3)間仕切がない学級では、教師の意識を顕在化する形で、MS全てのタイブにおいて約7割という高い割合で家具を用いた空間分離が行われていること、4)近年那覇市のMSは後期片廊下型の通過動線を排除したタイプが定着しつつあるが、一方で、教師によって子どもが授業に集中できる環境を整えるための家具や座席配置による空間分離が行われていることが明らかになった。