中国世界遺産麗江旧市街·束河集落の民家：仁里路沿い調査よリ

摘要

中国世界遺産·麗江旧市街として登録されている3地域の一つである束河は、中心的な遺産サイトである大研古城の北西4kmに位置している。中央には歴史的交易広場·四方街があり、4つの社区が点在する。四方街の西を流れる青龍川から東側は農村集落だが、川を越えた西側には聚宝山などの山々が連なり、麓には明代より南京などの職人が移住して形成された集落が並ぶ。今でも、山側の仁里村·文明村などは、麗江納西族に多い「和」以外の姓を持つ住民が多数を占める地域である。山の裾野を南北に通る仁里路周辺には、古民家が多く残っており、そこから四方街周辺を含めた一帯が遺産保護区に指定されている。遺産保護区に隣接する四方街東南の平地には観光街が建設され、2004年5月にオープンした。それに伴い周辺の環境は大きく変わり、経済的発展を遂げると同時に、遺産保護や住民生活などにおいて諸問題が生じている。