高温放射冷房と低温放射暖房の快適性に関する実験研究: その5.　冷房時における人体エクセルギー収支と快適性に関する考察

摘要

既報その4.では、冬季の条件について、被験者が快適と申告しているときの人体ェクセルギー消費と出入りを考察した。本報では、人体エクセルギーの消費と出入りが被験者の快適さとどのように対応するかを、夏季の条件について考察する。8.夏季における人体工クセルギー収支計算と考察図21は、夏季における人体エクセルギー消費線図の上に、本実験で被験者の快適申告があつたときの室内空気温度と周壁平均温度の組み合わせを・印で示したものである。a)は放射冷房室、b)は対流式冷房室の結果である。既報その4.に記した方法で、環境物理量と被験者申告を整理し、被験者実験で同時に入室した2名が、両者ともに快適とした場合を抽出した。図中の・印は大きいほど申告数の合計が多いことを示す。なお、a)放射冷房室は、被験者の近傍気流速が比較的大きかった実験パターンS1・S2・S4を示している。