地方都市における駅前広場整備手法に関する研究: その3 平日•休日•イベント開催時における滞留者行動の比較

摘要

以上の結果，イベント開催とそれに伴う仮設装置の設置によって，滞留者数が日常と比べ4〜5倍と大幅に増加している。イベント種類によって滞留者の体の向きに方向性があるので，常設の丸型ベンチは形状の可変性が有効と考えられる。また，にぎわいを生み出すための工夫としては，平日•休日の滞留密度の低い広場中央について，仮設装置の設置によって既存ベンチに集中している滞留者を分散し，潜在利用者の顕在化を図ることなどが考えられる。今後は滞留行動の差異を生み出す要因について，広場の空間構成要素ゃィベント種別などとの関連から捉え，装置の配置指針等について探る必要がある。また，駅前広場の多様な活動を阻害している要因の一つとして，運用方法を定めた条例などについても分析検討する必要がある。