巨大地震に対する高層建物における安全かつ安心居住獲得のための提案

摘要

2003年9月26日の十勝沖地震を発端とし、長周期地震動が固有周期の長い建物に及ぼす危険性が再び注目されている。特に、高層建物は通常の低層建物とは地震時の挙動が違い、構造的に安全であったとしても室内散乱等による負傷危険性や避難困難性は階毎に大きく異なることが予想されるため、居住者の安全•安心という観点からの検討が必要である。図1を見ても、高層マンション住戸数は増加の一途をたどっており、高層階居住者の安全•安心を含む住の質への要求は今後益々高まってくるであろう。