卯辰山山麓町家群の保存整備に関する調査研究: 重要伝統的建造物群保存地区指定に向けて

摘要

城下町金沢の初期に配置された卯辰山山麓寺院群が、平成16年度に「重要伝統的建造物群保存地区」の候補にあげられたことに伴い、山裾から平野部にかけて隣接分布する町家群も同時に保存対象として調査に組み込まれることとなった。ここでは後者の町家群について、主に正面外観の意匠的調査を行った結果について報告する。調査は、正面外観を構成する部位ごとに、意匠の種類を分類し、調査票を作成し、現地において、個々の町家を観察および撮影した結果から、正面外観データを作成した。