GPS測量の建築工事への適用性検討(その3)市街地の高層ビル建設現場における基準墨測量

摘要

高層ビル建設工事における基準墨測量に対するGPS測量の適用性を実験的に検討した。その結果、スタティック測位をある程度の時間継続して行なえば適用の可能性は十分あると判断される。しかしながら、市街地の建設現場における実験結果では、郊外における良好な環境条件で行なった実験と比較してパラツキが大きい結果であった。このように実際の建設工事においては現場毎に環境条件の差異があり、また、同一現場においても、基準墨の測量階は工事進埗に伴い逐次上階に移り、測量位置の周辺環境は変化する。そこで、基準墨測量に際しては測量値の変動状況を判断して、観測時間の長さを決定する必要があると考えられる。