木霊の権化:魚梁瀬森林鉄道に帰属する中山間地域価値の再創出

摘要

計画地として取り上げた魚梁瀬地区は約800年前に平家が逃れてきた歴史から始まり、昭和には林業を中心 に栄え、終点の千本山と運搬のための沿岸部を結ぶ森林鉄道を基軸とした文化景観が生まれた地区である。 しかし、林業の衰退やモータリゼーション等による鉄道の廃止と近代化に伴う電力需要の拡大によるダム建 設により、ダム湖の建設と高台移住を余儀なくされた。現在は森林鉄道で唯一文化遺産に登録されているが 遺構はほぼ残っておらず、更に年々住民の増加は見込めずに、高齢化に伴う過疎化による人口減少が著しい 。その結果、間伐を行う林業家の低下による国有林の森林環境の悪化が見込まれている。サブカルチャーと して主に林業から柚産業に転換した歴史、村の刻hだ過去、文化が全てダム湖に沈hだ魚梁瀬地区における 新たな地方文化価値の再興に導く