港北ニュータウン牛久保地域における緑地管理活動に対する公園?緑道愛護会の課題認識

摘要

港北ニュータウン牛久保地域では、緑道を骨格とした 近隣?地区公園であるために、愛護会による公園内の草 刈りや樹木の剪定、加えて竹林の管理といった緑地管理 活動が積極的に行われていた。また、清掃や花壇の花植 えといった環境美化活動はすべての愛護会で行われてお り、注力している活動として回答する人が各愛護会で多 くを占めていた。各公園愛護会で行われているいずれの 活動も多くのマンパワーを必要としており、各愛護会で は活動の縮小、機械での効率化を行う事によって高齢化 や新規参入者の減少といった課題への対策を講じている。 特に身体に負担のかかる草刈りや、竹林の管理といった 緑地管理活動では、愛護会メンバーが無理なく活動でき、 同時にやりがいを感じられるように活動内容を設定し、 計画的に活動していくことが重要であると考えられる。 アンケート結果より、各愛護会の活動別満足度では、 愛護会メンバーの満足度が同傾向を示す場合と、満足度 が極化するパターンが見られた。満足度が同傾向を示し ている理由として、長年積み上げてきた活動計画に則り 作業を行う事で、持続可能で現状に満足した愛護会活動 を行ってきていることが考えられる。一方、満足度が極 化した傾向を示す理由としては、愛護会活動の作業内容 が定着していない、又は高い意識を持った愛護会活動へ の意欲に起因するものであると考えられる。 各愛護会は独立して活動を行っており、町内会をはじ めとする地縁型の組織が母体となっているために、愛護 会どうしのつながりは見られなかった。活動経緯につい てのアンケート結果においては、「活動をしているのを 見て」、「友人の誘い」といった人づての経緯が多くを 占めていたために、人と人とのつながりを増やす機会が 大変重要であると考えられる。地域まちづくり団体であ るぐるっと緑道との連携は、地縁型組織の枠組みを越え たつながりをもたらし、愛護会どうしの作業内容の共有 化、交流といった、地域レベルでのコミュニケーション との多様化と一体的な活動を契機とした個々の愛護会の 再活性化につながると考えられる。