都市のコミュニティ空間形成の研究:地域のサードプレイス?ギャラリーとカフェからの視点

摘要

1.研究背景?目的　　まちや地域にとって、コミュニティ形成の視点は重要である。しかし、まちの更新に伴う、まちのスケールを逸脱する大きな建物の建設などに起因して、コミュニティに関わる問題が取り立たされている。谷根千地区は、昔ながらの雰囲気と地域コミュニティを持つエリアとしてあるものの、一方でその変化も懸念されている。本研究は、地域のコミュニティについて空間的な広がり、もしくは領域（以下コミュニティ空間）として捉えて分析することにより、まちの構造を明らかにし、新たな地域コミュニティ再生の糸口を探ろうとするものである。コミュニティ空間の形成には何らかの中心となる施設や機能が存在していると考えられ、当地区の特徴のひとつで、近年増えてきているギャラリーやカフェに着目した。地域の活動の場であるギャラリーや、地域の憩いの場であるカフェのような、家庭や仕事とは異なるもう一つの居場所（以下サードプレイス）が地域コミュニティに大きな役割を持っている可能性がある。それらサードプレイスから導き出される地域空間像に、谷根千地区におけるコミュニティの更新について、可能性を考察する。