九州北部におけるS波減衰構造の再検討

摘要

これまでに，日本列島下のQs値について様々な研究がされ，中村(2009)は九州地方の火山フロントの西側でLowQであると結論している。しかし，九州北部背弧側では，解析対象となる地震の発生数が少ないことがー因となり，やや深発のスラブ内地震を対象としてQs値を推定した例はない。本研究では，前回に引き統き，2006年6月に日に発生した大分県西部の地震(Mj6.2,深さ145km)による観測記録を用いて，九州北部，背弧側マントルゥエッジのS波減衰構造の推定を試みた。今回，2006年の地震とほぼ同位置で発生した，2005年12月31日の地震(Mj4.5,深さ123km)を解析対象に加え，さらに対象観測点のサイト特性の影響を取り除いて，再度推定した。