関東平野で観測された2011年東北地方太平洋沖地震（Mw 9.0）の地震動特性(その４)足柄平野西端部での微動探査から推定した表層S波速度構造とその地盤震動特性

摘要

東北地方太平洋沖地震では，日本各地で広い周期帯域の地震動記録が観測された。関東平野南西端の足柄平野においても周期数秒の地震動が卓越していることが指摘されている（津野ほか， 2012）。とくに，同平野の西部から中央部において周期２ ~３秒の地震動が極めて大きかった。さらに，同地域に存在している免震住宅の床下に設置された罫書きデータに基づいて足柄平野西端部で局所的に大きな応答変位が生じたことが報告されている（田中ほか、2012）。本研究では，足柄平野西端部において小規模なアレイでの微動観測を行い，表層地盤のＳ波速度構造を明らかにし，得られた地盤モデルを用いて，表層地盤の震動特性を評価することを試みた。