木造3 階建て学校の実大火災実験（準備実験）:（その２）試験体建物の防耐火性能

摘要

本報では、木造3階建て学校の実大火災実験（準備実験）（以後、準備実験と呼ぶ）における試験体建物の防耐火性能について述べる。既報の実大火災実験（以後、予備実験と呼ぶ）では、主要構造部を1時間準耐火構造とし、内装の大部分を木質化した試験体建物を用い、主として以下の火災安全上の課題があがった。①点火後約5分で火災室からの開口噴出火炎による外壁開口部を通じた早い上階延焼が起こった②壁?床等の準耐火構造部材、特定防火設備等が所定の延焼防止性能を発揮できなかった③最上階の天井突破後に小屋裏内部を燃え拡がり屋根の燃え抜けにより大量の飛び火が発生した④1時間耐火構造の防火壁が最終的に崩壊した 一方で、1時間の燃えしろ設計をした柱?はりは両面加熱されても1時間以上の加熱に耐えた。 以上の課題と結果に基づいて、課題解決に向けた部材レベル及び室規模の実験や、学校の収納可燃物特性の調査を実施して、準備実験の試験体を設計することとした。