合成開口レーダを用いた小麦生育早晩マップの作成

摘要

北海道の大規模畑作地帯では収穫作業機械や乾燥貯蔵施設を共用している場合が多く，収穫作業を実施する圃場の順番の決定は重要な作業である。また，収穫が早いと小麦の水分含有量が多いため乾燥にかかるコストと時間が増加したり，収穫が遅くなり低温や降雨にあうと品質の低下を招いたりする。以上のことから，収穫時期を正確に把握することが必要になっている。そこで，十勝地方では小麦の収穫が始まる1～2週間前に光学衛星で撮影された画像からNDVIを求め，小麦成熟の早晩を表すマップを作成している。しかし，光学衛星は天候に左右されて適時の撮影ができなかったり，撮影されたとしても部分的な雲の存在により，利用できない場所が生じたりして，利用者は必ずしも満足していない。