骨の患者別モデリングに必要な基礎知識

摘要

X線CTやMRIなどの三次元医用画像によつて人体内部の状態を低侵襲に把握することが可能となり、 それらの画像は臨床診断において有用な情報として利用されている。これまで臨床では、対象患部の様子を医師が静止画像として観察するために三次元医用画像を利用することが多かったが、最近ではこれらの画像から得られる三次元的な形態情報に基づいて患者別の力学解析モデルを構築し、運動状態や応力状態を解析する研究が広く行われている。このとき、解析技術について正しく理解していないと、不適切な条件設定で得られた結果に基づいた議論をしてしまったり、生体の解析には手出しすべきではないと過度な不安や嫌悪を感じてしまったりする。