全率固溶チタンスズ複合酸化膜の熱伝導率：置換カチオンサイトによるフオノン散乱の影響

摘要

全率固溶体を用いた材料はLEDやレーザーなどの発光デバイス，熟電素子などの様々な機器に使われている.特に発光デバィスや熱電素子などでは，放熱設計や性能評価のために，材料の熱伝導率値が必要である.したがつて，全率固溶体の熱伝導率の基礎的な挙動やその支配要因を知ることは重要である.例えば，Si-Ge合金の全率固溶体の熱伝導率は，点欠陥によるフオノン散乱が主体であることが知られている[1].一方で，カチオンサイトの原子置換による点欠陥が主体となると考えられる酸化物固溶体についての研究例はほどんどない.