UWB人体検出レーダのためのマルチスタティックRPM法の高精度化

摘要

UWB(Ultra Wideband) レーダは, 高い距離分解能を有し，光学センサが適用できない，粉塵・壁の向こう・見通し外の環境下でも，目標探知が可能である．そのため，車両衝突防止センサや災害現場での救助センサとして有望である．レーダによる3 次元画像化法として，DAS(Delay and Sum) に基づく各種の方法が提案されているが，完全な3 次元画像を得るためには高い計算コストが必要となり，さらに連続的な境界面の再現精度が劣化する．一方，RPM(Range Points Migration) 法は，目標境界抽出に特化することで，複雑かつ連続的な目標境界においても高速かつ高精度な画像化を実現し，ドップラ速度情報と統合させることで高精度な人体イメージングを実現している[1]．しかし，同手法のマルチスタティック拡張では，回転楕円体の交点を多数計算する必要があり，計算コストが観測データ数に大きく依存する．同問題を解決するため，標本点抽出に基づくRPM 法が提案されている[2]．しかし，同手法はモノスタティック近似を用いているため，送受信素子間距離が離れる場合は精度が著しく劣化する．本稿では[2] の手法の評価関数をマルチスタティックモデルに拡張し，計算速度を保持しながら，精度を改善させる手法を提案する．FDTD(Finite-Difference Time-Domain) 法に基づく数値計算データにより，本手法の有効性を示す