LDPC符号を用いたRB-HARQ方式における計算量削減

摘要

ARQ(Automatic Repeat reQuest) 方式とは, 信頼度の低い受信系列に対しに再送要求を行う方式である.文献[1] では, LDPC 符号とBP 復号法を用いたRB-HARQ(Row Base) 方式を提案している．この方式は，パリティ検査行列H の行インデックスを指定して再送ビットを送信側に伝える方式であり，帰還通信路に送信するビット数を削減することができる．ここで，文献[1]では，BP 復号法の繰り返しの手続きを上限回数まで繰り返してから再送要求を行っていた. これに対し本研究では，BP 復号法が上限回数まで繰り返す前に再送要求をすることで，BP 復号法のループ回数を削減する手法を提案する. 提案手法では，BP 復号法の繰り返しの手続きが1 回終了するたびに，行ごとに計算された信頼度[1] とシンドロームについて監視を行う．そして，後述する基準によって，上限回数に到達する前に再送要求を行うことができるようにする．その結果，実効レートに対するビット誤り確率が従来方式と同等であり，かつ計算量が削減できることを示す.