温度制約を考慮した蓄電池最適運用計画

摘要

近年，太陽光発電（Photovoltaic Power Generation: PV）等の再生可能エネルギーの大量導入が進められており，PV 等の出力変動緩和のために，蓄電池(Storage Battery: BT)の併用も期待されている。また，省エネや創エネを効率的に行うエネルギー管理システム（Energy Management System: EMS）においてBT は重要な役割を担っている。このため，BT の特性を理解することはEMS の最適運用を実現する上で重要である。本稿では特にBT の温度特性に着目して，その運用計画問題に関する検討を行う。BT の運用は温度に依存しており，BT の種類にも依るが，例えば，高温状態での運用はBT 自身の劣化を早めることにつながる。また，極端な低温または高温での運用は安全性に関わる問題を引き起こす可能性もある(1)。しかし，現段階でBT の温度特性を考慮したBT 最適運用計画に関する研究はほとんど行われていない。本稿では，充放電に伴うBT の発熱とその内部温度，また，使用環境における周囲温度の上昇関係を用いて，温度制約を考慮したBT 最適運用計画を検討する。