再エネ導入検討のための需給シミュレータ開発と電力系統における運用実証：５．再エネ発電出力予測誤差を考慮した供給信頼度とコスト評価

摘要

近年、PV やWT といったRE 電源を電力系統に大量導入する動きが盛んとなっているが、天候条件にその発電出力が大きく左右されるため導入時には対策が不可欠である。その対策としてエネルギー貯蔵装置の利用が考えられ、今後RE 電源の導入が更に進んだ場合、蓄電池の新規設置が必要と考えられるがそのコストは莫大である。そこで筆者らは既存の揚水発電所を有効利用することを提案、検討してきた。先行研究においては揚水発電所および蓄電池の週間運用計画の最適化を行い、その際にRE 電源の発電出力予測を考慮することで、より現実的な運用計画をたて供給信頼度の評価を行っていた。しかし、発電出力予測において大きな誤差が頻繁に生じていたため、本稿では発電出力の予測誤差に着目して週間運用計画を作成し、需給シミュレーションによりその運用計画の評価を行う。