SU8 微細機構／形状記憶合金厚膜アクチュエータアレイ型触覚ディスプレイ素子形成と動作特性評価

摘要

触覚による感覚を皮膚に提示する触覚ディスプレイは，rn視覚障害者向け機器，モバイル機器，車載機器，医用ハプrnティック機器などの幅広い応用が期待されている。アレイrn状に配置した可動ピンの機械的刺激による様々な種類の触rn覚ディスプレイが研究されており(1), (2)，中でも，SMA は単rn位体積当たりの仕事量が大きく，形状記憶合金(ShapernMemory Alloy: SMA)コイルをアクチュエータに用い，静的rnに凹凸を提示する触角ディスプレイが開発されている(3),rn(4)。大きな変位と発生力が得られるが，SMA コイルとマイrnクロピンを精密に組み立てて微小ピッチでアレイ化するのrnは容易ではなく，また，極端に厚い箱型のシステムとなり，rn携帯性を要するような用途が制限される。指の皮膚下にあrnる感覚受容器のマイスナー小体は，30 Hz 前後の振動周波数rn帯域では数μm 程度の振幅を知覚可能とされており(5)，振動rn刺激を用いることで小さい変位（振幅）と発生力でも感知rn可能である。SMA 膜を用いたMEMS 構造化することは，rn超薄型チップ状の触覚ディスプレイを実現するためには有rn効であり(6)，筆者らは，基板上に形成したSMA 厚膜アクチrnュエータを用いたプレーナ構造の触覚ディスプレイ素子のrn開発に取り組んでいる(7)~(9)。これまで，SMA 厚膜アクチュrnエータアレイ形成手法を確立し(7)，また，SMA アクチュエrnータの繰り返し動作に必要となるバイアスばねを，厚膜レrnジストSU8 を用いたリソグラフィによる形成する手法を試rnみてきたが (8)，SU8 ばねの設計が適正ではなく不均一に変rn形し，また，SU8 可動ピンとキャップ構造の良好な形成がrn確立されておらず，実際に指先等で触れる官能評価が十分rnに実施できなかった。また，皮膚が高感度とされる15 Hzrn以上の振動では，SMA の熱応答が律速して動作振幅が著しrnく低下する課題があった(8) 。本論文では， 国際会議rnTransducers 2017 で報告した最新の成果を中心に(9)，SU8 ばrnねの設計および形成方法の改良による全ピンが動作可能なrn触覚ディスプレイ素子の形成手法の確立，大きな振幅を得rnるパルス駆動条件の適正化，および官能評価試験による触rn感提示可能性の検証について報告する。