無線聴診システムによる子牛の健康モニタリング

摘要

畜産業界において牛は貴重な生産資源であり経営財産でrnあるが，その一方で牛の斃死による影響は，生産活動を営むrn事業者の経営を直撃する大きな問題となる．家畜共済統計rnから平成27 年度の乳用牛，肉用牛の死廃頭数を見ると全国rnで実に20 万頭を超える．死廃を要因とした事故家畜の価格rnは，全国で実に550 億円を超える額となっており，大きなrn社会コストの軽減が喫緊の課題となっている(1)． 特に，生後rn1 年以内の子牛は抵抗力が弱く，下痢・肺炎などを原因としrnた斃死のリスクが高いといわれている．このため，早期の症rn状把握となる子牛の健康管理は，畜産業全体において解決rnするべき課題の一つとなっている．それにも関わらず近年rnの環境変化やそれによるストレスの影響などから，子牛のrn健康管理はより一層困難になっている．そこで，心拍情報をrn利用した子牛のストレス検知や健康管理が試みられているrn(2) (3)．しかしながら，子牛の心拍情報を容易に計測する手法rnは確立されていない．現在子牛の心拍情報計測に用いられrnる最も一般的な手法は心電計により心臓の収縮に伴って発rn生する心筋の活動電位の時間変化を計測する手法であるrnが，この手法では電極を皮膚へ接触させるため被毛を剃るrn必要があり，実環境では使用されることはない．本研究でrnは，実際の農家で利用できる健康モニタリング技術の開発rnのため，すでに子牛の飼養管理に導入されている首輪上にrn取り付けたセンサ，あるいは畜舎に設置したセンサによるrn心拍間隔をモニタリングするシステムの実現を目指す．そrnのために本研究では，被毛上から計測可能な心音信号によrnる心拍間隔計測の有効性を検証した．