三次元稠密セル構成における階層化セルアーキテクチャを用いた基地局間連携制御装置の実装

摘要

1 つのマクロセル内に数百の極小セルを稠密かつ三次元的に配置することで都心部などのトラヒック対策を行う三次元稠密セル構成では, マクロセルと極小セル間の基地局間干渉やハンドオーバが頻繁に発生し, 複雑な基地局間連携制御が必要になる. 筆者らは, 三次元稠密セル構成において基地局間連携を効率良く制御するため, 階層化セルアーキテクチャを提案している[1]. 本稿では,階層化セルアーキテクチャを実現するための基地局間連携制御装置の概要と実装について説明する.2．階層化セルアーキテクチャ階層化セルアーキテクチャでは, 三次元稠密セル構成にeICICを適用してマクロセルと極小セルの用いる無線リソースを時分割し, 基地局群をマクロセル層と極小セル層の2 階層に分離する (図1). そして, 階層間をまたがる制御を行う階層間ネットワーク連携制御装置と, 各階層内の制御を行う装置 (マクロセル層内ネットワーク連携制御装置および極小セル層内ネットワーク連携制御装置) を用いて, 階層間の制御と階層内の制御を分離することで, 基地局間連携制御を効率化する. このようなネットワーク制御アーキテクチャを「階層化セルアーキテクチャ」と呼ぶ. 階層化セルアーキテクチャにおいて, 各階層内の基地局間連携制御は, 従来どおり隣接セル間の基地局間干渉制御やハンドオーバ制御を適用できる. 一方, 階層間の基地局間連携制御においてeICIC 制御と階層間モビリティ制御の各制御機能が新たに必要となる[1].