ミリ波ヘテロジーニアスネットワークにおける基地局負荷を考慮したスモールセル選択手法に関する検討

摘要

急増するモバイルトラフィックを収容する手段として，マクロセルのエリア内に多数のスモールセルを重畳配置するヘテロジーニアスネットワーク(HetNet)が検討されている[1][2]．特に，マクロセルとミリ波スモールセルで構成されるミリ波HetNet は，超高速伝送サービスを実現できる手段として検討されており，Carrier Aggregation(CA)技術を用いて，マクロセルをPrimary Cell(PCell)，ミリ波スモールセルをSecondary Cell(SCell)として接続することで，モビリティ性能を保ちつつ，スループット向上が可能となる．効率的にトラフィックをオフロードするためには，接続するスモールセルを適切に選択することが重要であるが，一般的に複数のスモールセルがSCell 候補として検出された場合，最も受信信号品質が良いスモールセルが選択される．スモールセルが密に設置されるホットスポットのような環境においては，複数の端末(UE)が通信している状況が想定されることから，各スモールセルの基地局負荷を考慮して接続するスモールセルを選択することにより，ユーザースループットの向上効果が期待できる．本稿では，基地局負荷を考慮して接続するスモールセルを選択する手法について，計算機シミュレーションにより定量評価した結果を報告する．