PBL 型情報倫理教育：エシカルセキュリティのコンセプト提案

摘要

近年，IoT (Internet of Things)の進展が注目されている．具体的には，腕時計や眼鏡に装着したウェアラブルデバイス，測位センサや人感センサなどのセンサデバイス，さらにはドローンなどの無人移動型デバイスなど，急速に技術が進んできている [1]-[2]．このような技術革新に対し，利用面での観点，特に，モラルなどの倫理面は，必ずしも十分でない．例えば，ネット上の炎上といったバーチャルな争い，企業での内部犯行による情報漏洩といったインシデントが発生している．このような状況は，ネット内にとどまらず，ドローンによるインシデントも起きている [2]．これに対し，法制度面の検討がなされているが，加えて，利用者のモラルなどの倫理面も重要である [3]．情報処理教育においては，インターネット利用に対するモラルやマナーはネチケットとして，情報倫理教育がなされているが[4]，IoT のように常に新しい技術が生み出されている現状においては，知識だけでなく実際に体験してみること，即ち，情報倫理教育のさらなる強化が重要である [5]-[6]．本論文では， このような状況を鑑み， 特に， PBL（Project Based Learning）型の教育に着目し，このPBL を加味した情報倫理教育をエシカルセキュリティと定義し，そのコンセプトについて述べる．