対流効果を用いた燃焼ベース熱電発電デバイスの高効率化

摘要

近年，ロボットやドローンの積極的な導入が検討されているが，それらの動力源として用いられているリチウムイオン二次電池は，そのエネルギー密度が1 kWh/kg以下と非常に低く(1)，例えばドローンでは一回の飛行時間が数十分程度に限られている(2)．従って，これらの新しい技術をより有効に活用するためには，エネルギー源の再考が必要である．一般に，炭化水素燃料は10 kWh/kgオーダの高いエネルギー密度を有する(1)ため，システムの発電効率が低くても，より電力を長時間供給できるメリットがある．一方，熱電発電は，異種の金属または半導体を接合し，接合点の両端をそれぞれ高熱源と低熱源に接触させ，ゼーベック効果により生じる電位差を用いて熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電方法である(3)．熱源から電気エネルギーを直接回収することが可能であり，可動部がないなどの利点がある．