ＡＥトモグラフィを用いたＲＣ床版のひび割れ注入効果の確認

摘要

供用後46 年が経過した鉄筋コンクリート橋において，網目状のひび割れが散見される床版パネルを対象に，ひび割れ注入工法による補修を行った。補修の前後においてAE トモグラフィ法により弾性波の速度分布を求め，双方の結果を比較した。結果，補修により速度が回復傾向を示し，AE トモグラフィ法が注入材の充填状態を把握するための一指標になり得ることを確認した。一方で，得られた速度分布において，アスファルト層の影響が懸念されたことから，コンクリート床版のみを対象とした表面波の速度分布を求め，アスファルトの影響について考察するとともに，その影響を排除して示す手段についても検討を行った。