数値流体力学解析を用いた遠心血液ポンプの溶血量の推定手法に対する検討

摘要

遠心血液ポンプは，心疾患患者の外科的治療のひとつである開心手術を行う際に用いられ，さらなる用途や使用時間の拡大が期待されている．しかし依然として，ポンプ内の流れによるせん断によって引き起こされる溶血は問題となっている．血液ポンプの溶血量は赤血球にかかるせん断応力と曝露時間の関数となる．本研究では，数値流体力学解析を用いて遠心血液ポンプの溶血量を正確に推定するために，得られたせん断応力場から赤血球の曝露時間を流速の関数として近似して求める手法と，得られた流れ場の上で溶血量の輸送方程式を解いて求める手法を比較