多面体構造形成過程のフェーズフィールドシミュレーション

摘要

多面体によって空間をすき間なく埋める空間充填構造については様々な形態が知られている．すべてのセルの形状が等しい構造のうち，表面積をもっとも小さくする構造は切頂八面体となり，この構造はケルビンセルとして知られ，フォーム構造や多孔体構造のモデルとして用いられることも多い．また，同一体積のセルとしては，２種類の形状を組み合わせたWeaire-Phelan構造が見つけられるなど，現在でも多くの研究が進められている．著者もフォーム構造の解析として，フェーズフィールドモデルを用いた計算を行い，ケルビンセル型の構造が再現できることを示した1,2) が，本研究では，さらに多様な多面体構造の解析を行い，その構造について考察する．