植生蒸散モデルの屋外温熱環境解析手法への組み込みに関する研究（その3）数種植栽により植生蒸散モデルに対する検討

摘要

植栽蒸散モデルを屋外温熱環境シミュレーション手法に組み込むために、既報で環境因子の植物の蒸散量に対する影響及び既成した植栽蒸散モデルの精度を検討した。しかし、植物の蒸散量は環境因子の影響を受けるだけではなく、植物自身の生理特性に影響を受けることもある。この特性は、Jarvis や小杉等の植栽蒸散モデルにもよく見られる。Jarvis や小杉の植栽蒸散モデルでは、気孔コンダクタンス(g_s)という変数は光合成有効放射(PAR)、気温及び飽差等の環境因子に関する変数により影響される一方で、植栽生理に関する特性を表現するg_(smax)、a、b_1、b_2 等定数とされるパラメータにも影響される。更に、建築や造園分野では様々な緑化用の全ての植栽種類についてパラメータを求めることは難しいが、花平の研究により、葉の形態が類似した樹種はパラメータを集約することが可能だとの報告もある。