面内せん断を受ける金属平板の円形環枠組構造１（円形環枠で囲まれた円形金属平板）

摘要

図－１は円形金属平板の周辺を平板に垂直且つ突出するフランジの円形環枠で囲まれたせん断パネルで、上下左右の円形環枠の一部からせん断力が作用する本構造の代表図である。せん断力に伴う平板面内の主応力は実線矢印で示す斜め45度方向の引張主応力＋σとそれと直交する点線矢印で示す圧縮主応力－σとで表現される。この圧縮主応力は円形環のアーチ効果による枠材の軸力と釣合い円形金属平板に影響を与えず、実線矢印方向とそれに平行する斜張力で純引張面が構成され、円形環枠組構造では加力初期段階からせん断降伏時点更にせん断降伏後の力学的挙動の全行程で張力場となると考えられる。円形環枠組構造は円形環枠材に生じる軸力が平板の力学的釣合いを考える上で重要であり、加えて加力部近傍では円形環枠への局所的影響が大きい。円形環枠材の力の負担を軽減するために、点線で示す周辺せん断力の作用線上に加力部材を延長して四角に構成することは本円形環枠組構造の弱点を補うものと考えられる。