携帯情報端末の内蔵センサを用いた簡易地震計の性能と建物モニタリングへの展開

摘要

以上より、構造損傷や室内被害が出るような大きな地震の計測について、波形観測や計測震度などは簡易地震計による計測で十分であると考えられる。また変位の精度から層間変形角などの評価も可能である。ただし、簡易地震計でNTP による時刻同期設定にもかかわらず、若干の時刻ずれが生じた。このため、時刻同期の処理が必要な場合がある。ノイズレベルに関する問題は、モニタリングで小振幅の記録を蓄積する場合は影響が大きい。本報の実験よりトリガレベルを下げて19 階建建物に設置し、汎用強震計と並べて自然地震でテストを重ねている。