軸力制限機構付き同調粘性マスダンパーの有効性その2 模擬地震動を用いた時刻歴応答解析

摘要

軸力制限時に層間変位の増加量が最も多くなる振動数比1.0 の成分が卓越する模擬地震動を作成し、軸力制限機構を組込む方法と設計時の付加質量を小さくする方法における制振効果の違いを比較した。その結果、いずれの位相情報を持つ模擬地震動を入力しても、軸力制限機構を組込んだ方法が付加質量を小さくする方法に比べ、最大層間変位の増加を小さく抑えられることがわかった。また、軸力制限機構を組込む方法において、付加質量比ごとの比較を行った結果、同調粘性マスダンパーの付加質量比を大きくすることで、最大軸力に対する制振性能を高められることを明らかにした。