杭支持建物の地震時応答に及ぼすモデル化と相互作用の影響に関する研究（その2 基礎梁剛性･SR ばね剛性の影響）

摘要

建屋・杭基礎一体とした立体骨組モデルを用いて耐震壁を有する想定杭支持建物の非線形相互作用解析を行い、基礎梁剛性の違いが地震時応答に及ぼす影響を検討した。その結果R 階加速度、建屋層せん断力への影響は小さいものの、建屋の振動特性や地震時杭軸力に及ぼす影響は無視できないことを確認した。また質点系SR モデルを用いて、建屋剛性、スウェイばね剛性の変動が建屋応答に及ぼす影響を検討した結果、建屋剛性／スウェイばね剛性の値が大きいほど建屋応答が低下することを確認し、建屋剛性の大きな杭支持建物では、杭基礎の鉛直支持力の確保が前提ではあるが、水平剛性を調整することで建屋応答を合理的にコントロールできる可能性を示した。本報の結論は限られた検討ケースに基づいたものであり、さらに詳細な検討を今後の課題としたい。