郊外団地における近隣センターの変容実態: 町田市木曽山崎団地近隣センターを事例として

摘要

日本における郊外団地再生に関する課題のひとつとして、近隣センターの再生が謳われている1)。近隣センターとは、住宅団地における近隣住区(1)を目安の単位として配置された、主に団地住民の日常の公益・利便に資する施設群のことを指し、商業施設を中心として、公共施設、医療・福祉施設等が集まって整備されている。今後のさらなる少子高齢化に伴う郊外住宅地の維持に関して、近隣センターはこれまでの団地住民の日常の公益・利便に資することに加え、団地周辺住民の利用や利用者の交流等も含めた新たな機能や役割の創設が求められている2)。近隣センターの再生を皮切りとして、ストック活用とコンパクトシティ政策を前提条件とした上での団地と周辺地域の活性化を実現していくことが団地再生のひとつの方法として考えられる。