地区計画制度の意義や位置づけに関する主要な論点: 地区計画制度の成立に関する研究（その２）

摘要

研究者らによる地区計画成立以前の意義や位置づけの議論として、(1)①スプロール抑制を念頭に置いた土地利用規制強化型、②街並み形成に重点を置いた詳細で多様な規制誘導型、③事業の統合や調整を念頭に置いた事業実施型、(2)地区計画の役割として、①地区のハードソフト全体の総合化と調整機能、②公共施設や多様なコミュニティ施設を含む物的環境の総合化、(3)計画策定の考え方として、①都市全体計画からのブレークダウンによる計画と、②街区の統合化による計画、(4)計画体系として①広域計画・地区計画とレベル区分し、都市計画区域全域または市街化区域全域の地区計画策定、②特別な地区のみでの策定、(5)対象地域として市街化区域内以外を含めて対象とする考え方があった。研究者らの地区計画に対する考え方や期待と実際の乖離が大きいと言え、現在、再度検討したい内容が多く含まれる。