階段室型共同住宅のストック活用における居住ニーズに対応する動線計画及び住戸計画の概要: コーシャハイム千歳烏山住棟改善モデル事業を通じて（その１）

摘要

現在国内には、築30 年以上を経て老朽化した階段室型共同住宅（以下、階段室型）のストックが大量に存在する。公的な賃貸住宅全体においては、300 万戸を超える総ストック戸数のうち、約半数が3～5 階の中層階段室型であり、これら公共性の高い住宅ストックへの対応は、建替え中心から大規模改修などの既存建築を利活用する取り組みが必要になることが予想されている。東京都住宅供給公社（以下、JKK 東京）が管理する賃貸住宅においても、約6 割が階段室型であり、その多くが昭和40 年代に竣工時期が集中している。これら老朽化したストックをどのように再生するのかが喫緊の課題となっている。