隅肉溶接継目の降伏耐力に関する比較検討その1 ミーゼスの降伏条件に基づく降伏耐力の比較検討

摘要

1)前面隅肉は側面隅肉に比べ高い耐力を示し、略算式では1.25 倍となる。斜方角度が大きくなることで耐力は低下する。2) 降伏面角度は側面隅肉については45°であった。前面隅肉における降伏面角度は27.25°であり、60°斜方隅肉までは降伏面角度が低下する。これまで隅肉溶接継手の耐力評価は側面隅肉と前面隅肉において同等の耐力評価がなされてきた1)。しかし側面隅肉と前面隅肉の耐力は異なっており、前面隅肉の耐力が側面隅肉の耐力を上回っていると指摘されている2)。実験3)からも前面隅肉と側面隅肉の強度の差異が見てとれる。本研究では前面隅肉から側面隅肉に至るまでの耐力を降伏面に発生する応力成分をミーゼスの降伏条件式に代入し算出した。また斜方角度が前面隅肉(θ=0°)から側面隅肉(θ=90°)に移る過程でどのような耐力変化をたどるのかを検討した。