圧縮軸力と等曲げモーメントを有するＨ形鋼梁の弾塑性横座屈荷重に及ぼす連続補剛材の拘束効果（その２ 連続補剛材の水平補剛力・補剛モーメント）

摘要

実構造物において非構造部材は必ずしも部材の中央の一点に取り付けられるとは限らず，圧縮部材の材長方向に複数もしくは連続的に取り付けられているものが多い。通常，梁の横座屈を防ぐために部材中央に小梁が取り付くことで十分な補剛効果があるが，補剛材として考えられていない母屋や屋根折板のような非構造部材を想定した場合，部材中央での補剛とは異なり，横座屈変形を拘束するための補剛剛性を保持しているとは限らない。さらに，非構造部材に梁の横座屈荷重に対する補剛効果を期待するには補剛材にも高い耐力が必要となる。現行の設計指針1)2)で規定されている補剛耐力は，梁の降伏荷重の2~3%以上となっているが，梁の材長方向に取り付く連続補剛材に生じる補剛力について明記されていない。