視覚障害者の単独歩行時の街路歩行の状況:視覚障害者の外出環境改善に関する研究その3

摘要

1)直線街路上では、被験者が手掛かりとした事物は「ブロック塀」「植栽」「下水工事跡」であった。また、直線街路を歩行することで周囲の状況が変化する為、白杖の打撃音の反響音の変化によって自身の位置確認を行うことも確認できた。2)交差点周辺では、グレーチングなどの自身が普段交差点を知らせる手掛かりとしている事物を認知することで交差点にいたことを確認していた。そのほかに、直線街路でそれまで白杖で伝い歩きしてきた事物が認知できなくなったとき、またはそれらの事物の角部を認知した時に自身が交差点にいることを把握していた。3)目的地周辺では、目的地の目印となる事物が必要となるが、それらは以下の3 つが重要であると考えられる。①事前に目的地が近いことを知らせる事物②目的地付近まで伝い歩きができる事物③目的地到着の目印となる事物4)被験者の3 人ともが迷った場所として、ゴミ捨て場②の手前にある交差点から、ゴミ捨て場②までの街路である。ここは、交差点から次の歩行の手掛かりとなる事物がほとんど無いために迷ってしまったと考えられる。